山と写真と毎日と

アラフィフのおっさんが趣味の登山・写真・日常を綴るブログ。

山のススメ。

こんにちは、GreenFielderです!

振り返って昨年の10月、まだコロナ真っ盛りの時でした。

当時私が所属している会社のテニス部は、コートが閉鎖され、イベントも全て中止されている状況でした。

そんな状況下、年4回ほど発行される部報に載せるトピックも無いとのことで、「ちょっとでもテニスの話が書いてあれば何でも良いから寄稿してください!」という編集担当の悲痛な叫びに答え、「テニス」という用語を使いつつ登山に関する寄稿をしたことがあります 笑

当時それなりに推敲を重ねた文章なので、せっかくだから(?)以下に紹介させていただきます。

*文章は当時のまま、写真も当時掲載したものを使ってますが、プライバシー保護の観点で一部削除・加工しています。

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山へのお誘い

私は、中学で(弱小)軟式テニス部、大学で(弱小)体育会硬式テニス部、社会人テニスクラブ、とテニス一筋のスポーツ経歴のようですが、高校時代は山岳部に所属していました。ここで、登山の素晴らしさ、厳しさ、怖さ、など色々と学びました。

当時は「歩荷訓練山行(ぼっかくんれんさんこう」なるトレーニング登山が複数回あり、ザック(当時はキャンバス生地の重たーいザック)に石を入れ、25~35kgに重さを増した状態で近隣の山(1000m~1500m程度の低山)を登りました。始めは「なんで石を頂上に運ぶだけの無駄な登山をするのだろうか?」と思ったりしましたが、その後夏合宿(山中5泊)で普通に食料・装備を入れたザック重量が30kg近くに達し、「なるほど」と納得したものです。

高校山岳部時代に最も印象に残った登山は、1年生時の夏山合宿でした。まだ山の知識皆無だった当時の私は、日本アルプスがどういうものなのかも知りませんでしたので、「南アルプス南部縦走」と言われてもピンと来ず、なんとなく電車とバスに揺られて遠いところに連れていかれ、いやおうなしに3000m級の山々を縦走(起点と違う場所を終点とするルートで行う登山を「縦走」、起点と頂上を往復する登山は「ピストン」と言う)させられた感じでした。

元々、南アルプス南部山域は「アクセスが大変なエリア」ということで北アルプス南アルプス北部山域に比べ人気が有りませんでした(よく言えば玄人好みの山域でした)が、コロナ禍によるアクセス・バスの運休や山小屋休業などで、昨年からますますアクセス困難な山域となっています。今になって思えばいきなり高1の夏合宿からディープで貴重な経験をさせてもらったものだな、と思います。

初日は、30kgほどのザックを担ぎ、眺望の効かない樹林帯の中、1400mほどの標高差をひたすら登っていく苦行となり、「登山なんて辛いだけで全く面白くない」と、山岳部に入ったことを激しく後悔しました。しかし、翌日待っていたのは、神々しい日の出、雲一つない快晴の3000m級の稜線、人工物が何も見えない雄大な眺望、他に登山者が殆どいない静謐な空間。この2日目の経験が強烈に印象に残りました。当時の写真等は残っていませんが、頭の中にその時の映像がずっと残っており、20~30年経ってからガイドブックでその山域の写真を見ると、「あ、こんな風景だった」と思い出せます。この2日目に歩いたルートが、千枚岳~荒川三山~赤石岳、の南アルプス南部主脈核心部でした。

高2冬季合宿(安達太良山)で磐梯山をバックに集合写真。前列左から2人目が筆者

さて、前置きが長くなりました。

高校卒業後も、登山はちょこちょこやってましたが、やはりテニスが中心で、九州勤務時代に同期と宮之浦岳屋久島)、東京勤務時代に別の同期と瑞牆山(奥秩父)に登って以降は、登山から遠ざかっていました。

社会人2年目に同期と屋久島・宮之浦岳へ。縄文杉をバックに。右から2人目が筆者

それでも、2006~2010年と2015年~2018年の合計8年に及ぶ米国滞在期間中、米国内の国立公園を旅行した際には家族でトレッキングを楽しみ、雄大な自然の中を歩く楽しみを思い出しました。

2010年、ザイオン国立公園にて

そして帰国後の2019年にふと山に行きたくなり、家族で丹沢・大山に登り、徐々に登山熱が復活。その後海外出張等で一時登山は中断、更にコロナ禍もあって実現していませんでしたが、外出自粛が限界に達してきた2020年8月に、一人で丹沢・塔ノ岳へ向かいました。この時は、自分が年を取ったこと、久しぶりの本格登山であることなどを過小評価し、下山途中から左膝痛でまともに歩けなくなり、日没直前でなんとか下山する、というほろ苦い登山再デビューになりました。

丹沢表尾根。三ノ塔から塔ノ岳を望む

それでも登山熱は衰えず、軽めの高尾山登山を皮切りに、徐々に行動時間の長い登山へ移行し、頻度も月イチから月3回程度に増やしていきました。最初はコロナ禍の都県境越えを自粛して主に公共交通機関(電車・バス)で行ける奥多摩など都内の山々を目指していましたが、次第に物足りなくなり、(感染予防対策はしつつも)都外の山へも出かけるように。

奥多摩・石尾根。七ツ石山付近より富士山を望む

そして、山頂に至り、遠くの山を見るたびに、「あの山にも登りたい」と次々に「登りたい山リスト」は拡大。遂にはカーシェアを使って、群馬、山梨、福島、新潟の山々へも足を延ばすようになりました。

谷川岳・トマの耳

上越国境の山々を背に苗場山への登りを進む

ちなみに、我が家のルールで山中泊の登山はできません。また、原則山に行くのは家族の予定がない日曜日です。なので、遠くの山へ登りに行くには、必然的に自宅発の時間が早くなります。特に最近は、①できるだけ長く歩きたい、②できるだけ朝の早い時間の雲が上がってくる前に山頂に辿りつきベストな眺望を得たい、③翌日は仕事なので、帰宅が余り遅くならないようにしたい、という条件もあるので、公共交通機関利用の場合は始発、カーシェア利用の場合は未明の2時~4時発、という感じです。

早朝の甲斐駒ヶ岳

登山頻度が増えてきたことで、体も鍛えられているようで、以前は日曜日の登山後は筋肉痛や膝痛が水曜日くらいまで続き、階段を上るのも辛い状態でしたが、最近は然程でもなくなりました。なかなかテニスも出来ない状況の中、健康維持には一役買っているようです。山に登れない週末はジョギング・ウォーキングなどもするようになりましたが、こちらもすぐにへばることが無くなってきました。

尾瀬・広沢田代。キンコウカの中を歩く

これからは秋の紅葉登山の季節です。先日登った鳳凰山では、木々が色付きはじめていて、秋の気配が漂っていました。

鳳凰山・地蔵ヶ岳。背後に八ヶ岳連峰(左)と奥秩父山塊(右)

鳳凰山の紅葉

登山は必ずしも山頂に立って眺望を楽しむだけでなく、木々の色合い、季節ごとの花の美しさ、鳥や昆虫の鳴く声、沢の水の流れ、などなど、高山・低山を問わず、楽しめる要素はいくらでもあると思います。安全第一で無理はせず、感染予防を怠らなければ、登山は素晴らしい経験ができます。皆様もテニスができず鬱屈している、外出自粛で体がなまっている、仕事のストレス発散先が無くて困っている、といったお悩みがある場合は、登山をしてみるのは如何でしょう?きっと良いことがあると思いますよ!

森に差し込む朝日の光条

苔生す森

ちなみに、初めての登山は快晴が約束された日に決行することを強くお勧めします。なんだかんだ言っても、やはり晴天の下での登山が文句なく良い記憶として残ります。逆に、最初の登山が雨や雲の中ですと、次に繋がらないことが多いので(笑)そういう意味では、これから秋から冬にかけての近郊低山ハイクは晴天率が高く、空気が澄んでいて、良い眺望を望める可能性が高く、また虫(蚊・アブ・ブヨ・ヒルなど)に悩まされることもない、そして更に言えば「暑くない」のでお勧めです。

甲斐駒ヶ岳から仙丈ヶ岳を望む

もしこれを読んで「登山、やってみようかな・・」という方はお声掛けください。ビギナーでも然程労せず良い登山体験ができる日帰りコースをご紹介しますよ!なんでしたら、ご一緒に如何ですか?

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最後までご覧頂きありがとうございました!