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アラフィフのおっさんが趣味の登山・写真・日常を綴るブログ。

丹沢変則縦走にトライ。〜前編:雪と鳥達と絶景〜

こんにちは、GreenFielderです!

日曜日、丹沢の山々を巡ってきました。

なんと珍しく、妻から4週末連続で登山許可がおりました(笑)。おそらく最近積極的に家事手伝いをやっている点を評価されたのでしょう。いや、そうだと思いたい。。

今回はこれまでの3週末でそれなりの距離・高低差を歩いたことで少し自信を付けて、普通日照時間の短い季節にはやらない「丹沢ロング縦走」にトライする計画を立てました。

丹沢に詳しい人にしか分からないかもしれませんが、計画コースは焼山登山口から「主脈縦走路」を辿って丹沢山塊最高峰の蛭ヶ岳に登頂、その後「主稜縦走路」を辿って檜洞丸に到達し、ツツジ新道経由で西丹沢ビジターセンターに下りる、というルートです(以前の記事の通り、私は「縦走路」という甘美な言葉に弱いのです)。

YAMAPで行程を作ったところ、12時間近い標準コースタイムとなりましたが、昨年の経験(西丹沢VC→檜洞丸→蛭ヶ岳丹沢山→塔ノ岳→大倉)から、標準タイムからは短縮できる、という目論見が有りました。

そして蓋を開けてみると、山行前半はこれ以上ない晴天の下、雪と野鳥と絶景を堪能、後半は苦しみと焦りにまみれた山歩きとなりました。。まさに「天国と地獄」。

今回の山行で、充実感と共に反省も沢山有りましたが、そのあたりは記事の中で。

では、早速書いていきます。まずは「天国」の前編から!

 

1. 計画・アプローチ(焼山登山口まで)

これまでの週末、奥多摩→丹沢→奥多摩、と登山をしてきました。なので今回は丹沢と決めていました。さて、丹沢のどのルートを歩こうか。。

丹沢は既にかなり歩いており、同じルートでは面白くない。しかも長いルートを歩きたい。そう考えて計画したのが上述のルート。一応正式な「丹沢主脈縦走路」は焼山登山口から蛭ヶ岳を経由して塔ノ岳に至り大倉に下山、というのが「正規ルート」ということなので、これは焼山登山口から歩かねばならない。そして蛭ヶ岳は私の一推しの山、これも外せない。更に3月には「ミツマタの花観賞登山」を目論んでいるので、ツツジ新道のミツマタ群生地の開花状況も見たい。・・・という欲張りを計画に盛り込んだのです。

一つ分かっていたのは、蛭ヶ岳〜檜洞丸の区間がメチャクチャ辛いということ。激しくアップダウンがあり、二つの山と区間最低鞍部との標高差は400m程あります。そして、実は途中の臼ヶ岳もかなりの防御力で侮れません。どちらから歩いても、散々アップダウンして体力を消耗した挙句に蛭ヶ岳(or檜洞丸)の山頂を見上げた時に絶望感に浸れること間違いなし(笑)

しかし、M気質の私としましては、そんな絶望感も登山の醍醐味だと思っています。だって、それを乗り越えた時の充実感は半端ないですから!

・・・と、前置きが長くなりましたが、では、どちらから歩き始めるか。これは答えは簡単です。長いルートを歩く際には、行動開始時間が早い方から登るのが鉄則。その点、焼山登山口にバスで到着できるのが7:16、西丹沢VCだと8:36。これは異論の余地は有りません。

では、焼山登山口行きの始発バスに乗るにはどうするか。この場合、私の家の最寄り駅からだと間に合いません。なので、自転車を漕いで小田急線の駅に行き、永山で京王線に乗り換えて橋本に行き、そこで三ヶ木行きのバスに乗り、三ヶ木から月夜野行きのバスに乗り継ぐ必要が有ります。実はこのアプローチは2回目なので、問題なく実行できました。

7:16、ほぼ定刻でバスが焼山登山口に到着。ここで私含め4名ほどのハイカーが下り、私以外はさっさと支度して行ってしまいました。私はカメラをザックから取り出し、準備体操をして、とやってたら、近くで珍しい鳥の囀りが。声の方を見たら、なんとジョウビタキのオスが民家で歩き回ってるではないですか!早速取り出したカメラをセットしてる間に飛んでいってしまいましたけれども。。

最近はなんだか「ジョビオ」くんと相性が良いのかな?と思いながら、ようやく始動です。

 

2. 焼山登山口〜姫次

スタートしてすぐは林道のようなところを歩き、すぐに登山口が現れます。

登山口

最初は杉林を歩きますが、奥多摩と違って広葉樹林帯が多く、枯れ木の間から景色が見えて開放感が有る。

枯れ木で開放感の有る登山道

右手に見えるのは先週登った鷹ノ巣山かな?

どうも昨晩雪が降ったようで、焼山に到達する前から登山道は薄っすらと雪に覆われていました。こりゃあ今日は軽アイゼンが大活躍だな。

雪が薄っすら覆う山肌

どんどん登っていくと、目の前に大きな展望デッキが見えてきました。焼山に到着です。

焼山山頂

展望デッキは立ち入り禁止(ロープが張られている)のようで、展望台からの眺望は早々に諦め、先に進みます。

登山道には同じバスで焼山登山口に着き、先行しているハイカーと思われる足跡が。

先行者の足跡

焼山からはなだらかな道が姫次まで続いています。姫次とは、蛭ヶ岳の北に位置するなだらかな高地で、ここまで来ると富士山がドーンと見えます。ちなみに焼山登山口~姫次の区間は、全長1,697kmに及ぶ「東海自然歩道」の一部を構成していて、姫次の付近には「東海自然歩道最高地点」という標識があります。

暫くは勾配の少ない道を快調に歩きます。時々木々の合間から本日の第一目標地点である蛭ヶ岳が見えます。本日の行程はまだまだこれからです。

遠くに蛭ヶ岳

姫次までの途中に黍殻山がありますが、今回は先も長いので、ピークは通過せず巻道を進む予定です。もうこの時点で登山道は完全に「雪道」となっていますが、5~10cm程度の積雪で道の上はかなり踏み固められているので、姫次まではアイゼンを付けずに進みます。

完全に雪道

黍殻山の巻道に入ると、とっても気持ちの良い風景が広がります。

雪と木々と青空

木々からはパラパラと雪が落ち、朝日を浴びてキラキラ輝きます。快晴の青い空にとても映える。

そしてこの黍殻山巻道は野鳥天国でした。木々のそこかしこ、そして地上付近でも小鳥たちが飛び交っていました。

メジロ

エナガ

コガラ

背面からのテイクオフ!

風も無く穏やかで、周りにはハイカーもおらず、とても静かな空間です。聞こえてくるのは、木々から雪の破片が落ちる音、小鳥たちの囀りと羽音、それだけです。

こんな空間にいると、椅子でも用意してその様子をずーっと見ていられそうです。

・・・と、そんな余裕をかましている暇はない!先を急がねば!

更に歩を進めつつ振り返ると、都心方面を一望できる所がありました。今日は空気も澄んでますね。

丹沢三峰方面

手前に宮ヶ瀬湖、奥は都心方面

 

そして、しばらくして明るく開けた空間に出ます。姫次に到着です。

姫次には休憩ベンチが幾つかあり、そこからも富士山が見えますが、折角なのでもう少し眺めの良い丘の上に上がってみました。

姫次から富士山方向

目の前には富士がドーンと構えています。更にこのあと歩いていく蛭ヶ岳・檜洞丸とその2つのピークを結ぶ「丹沢主稜線」が一望できます。

大きく裾野を広げる富士

これから登る蛭ヶ岳

その後に登る檜洞丸

蛭ヶ岳と檜洞丸を結ぶ主稜線

うーむ、これからあそこまで歩いていくのか・・・。

ここからは軽アイゼンを装着し、いよいよ蛭ヶ岳へ向かいます!

 

3. 姫次〜蛭ヶ岳

姫次からは一旦下ります。いつも思うのですが、メチャメチャ登ることが分かっているのに下らなきゃいけない時って気分が下がります(笑)

それでも、姫次から蛭ヶ岳の取り付きまでの道は「癒しの道」です。今日は特に木漏れ日が雪に影を落として癒され度アップ。

雪に木漏れ日

雪に木漏れ日#2

 

ひとしきり癒された後はいよいよ蛭ヶ岳への登りが始まります。

・・・とその前に、またも野鳥天国。鳥の囀りを聞いては木の上を見上げます。

コゲラ

ゴジュウカラ

どちらも忙しそうに木の枝を上へ下へ(コゲラに「下へ」は無い?!)

 

更に蛭ヶ岳から下りてきたかわいいワンちゃん。またまた癒されます。

ワンちゃんは蛭ヶ岳から下山

では、癒されたところでクライムアップ!ここからは地獄の木階段です。

地獄の木階段

白銀の木階段を行く

 

ゼイゼイ言いながら登って振り返るとこの景色。これですよ、これが見たかった。

広大な眺望

折角だからとこの雄大な展望で自撮り。

蛭ヶ岳登りのクライマックス

今日は本当に空気が澄んでいて、南アルプス八ヶ岳など、遠くの山までよく見えます。

甲斐駒ヶ岳鳳凰山

白峰三山

荒川・赤石・聖

八ヶ岳

 

そして、なんとか踏ん張って蛭ヶ岳山頂に到着です!

休憩もそこそこに360度の展望を楽しみます。

登頂!

西に西丹沢の山々と、富士・愛鷹

南に相模湾伊豆半島。遠くに大島も

東に丹沢主脈の山々

北に奥多摩・奥秩父

 

本日はサイコーです!

しばし酔いしれるの図

・・・ということで、サイコーな前編はここまでです。

次回は「試練と焦り」の後編をお伝えします。

 

最後までご覧頂きありがとうございました!