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アラフィフのおっさんが趣味の登山・写真・日常を綴るブログ。

日本の非生産的業務について。〜前編:無駄資料〜

こんにちは、GreenFielderです!

今回は久しぶりに「ビジネス」をテーマに一つ記事を書いてみたいと思います。

実は今回の記事は、随分前に記事化を思いつき書き始めたものの、「下書き」欄に眠っておりました。。それだけ他に書きたいテーマが出てきた、ということで、喜ばしいことと捉えます(笑)

今回は二つの記事を引用しつつ、「日本は本当に非生産的業務が海外各国に比べて多いのか」につき、私の経験に基づく肌感覚を書いていきたいと思います。

まず、前編として一つ目の記事に関してのお話をします。

この記事は2021年11月の記事ですが、1年以上経った今でもなんら状況は変わっていませんので差し支えないでしょう。

あ、ちなみに以下の記事は無料会員登録しないと閲覧できないかも。。

www.jiji.com

この記事は江上剛さんのコラムで、まず日本の労働生産性の低さ(統計が始まった1970年以来ずっとG7最下位、2019年統計では米国の60%)を示した上で、デビッド・グレーバー氏の著書「ブルシット・ジョブ 〜クソどうでもいい仕事の理論」も引用しながら、日本の労働生産性の低さの原因を検証しています。結論は「ホワイトカラー層の無駄仕事が原因」ということで、ホワイトカラー層に属する私としても耳が痛い話です。

グレーバー氏は著書の中で、「ブルシット・ジョブ」を以下の5つとしています。

(1)誰かを偉そうに見せるための取り巻き(受付係、ドアマンなど)

(2)雇用主のために他人を脅迫したり欺いたりする脅し屋(ロビイスト、顧問弁護士など)

(3)誰かの欠陥を取り繕う尻ぬぐい(バグだらけのコードを修復するプログラマーなど)

(4)誰も真剣に読まないドキュメントを延々と作る書類穴埋め人(パワーポイントを量産するコンサルタントなど)

(5)人に仕事を割り振るだけのタスクマスター(中間管理職など)

*上記5項目の内容は江上さんの記事からママ引用

そして、江上さんはその中で特に(4)が日本に多い無駄作業と指摘。確かに、日本の大手企業って、本当に無駄な資料を作るのが好きです。しかも昔はWordやExcelで資料を作るのが普通だったものが、最近はPowerPointを使った資料作りが主流になっています。

確かにビジュアル的には分かりやすいんですけど、そんなにビジュアル的要素が、しかも社内説明資料で必要?と思ってしまいます。

私なんかも、会社の幹部に説明する際には「まず説明資料作り」ということで、実際に幹部に説明する前に間にいる中間管理層のコメントを反映して資料完成に1週間掛かることも稀では有りません。。

昨今の若手も「それが当たり前」という意識がある(そりゃベテランが皆そうやってるんだから、そういう意識になるのは当たり前)上に、若ければ若いほどPowerPoint作成を苦にしないので、彼らはまず直属の上司への相談にもいちいちPowerPointを作って来ます。

そりゃあ各組織階層でいちいちパワポ作ってたら意思決定も遅くなるし、無駄作業も増えますよね。。

私は、この風潮が若手の「臨機応変な対応・コミュニケーション」能力の向上の妨げになっていると思えてなりません。

基本、直属の上司への「報連相」は、まずタイムリーに口頭で行うべきと思っています。はっきり言って、資料なんか作ってるよりスピードを重視すべき。しかも、上司の意見をまず聞くことで、今直面している課題に対する大まかな対応案も見えてきます。資料作りはそこからで十分だし、結果的に何度も資料を手直しする手間も減ります。

そして大事なのは「資料を使わずに自分の抱える課題を簡潔・明快に説明する訓練になる」ことです。これは人それぞれ意見が違うところですが、私は「社内、特に直属の上司への説明なんて、最初は稚拙でも良い」と考えています。まず、自分の頭の中で整理し、それを言葉にしてみる。そして言葉にしていく中で、「あれ、何言ってるんだか自分で分かんなくなってきた!」なんてことは、若いうちは良く有ります。でもそれで良いんです!そういう経験をまず社内で積んでおかないと、社外との会議や交渉で通用するはずがありません。幼少の頃から「プレゼンテーション能力」を鍛えられる欧米に比べそもそも人前でプレゼンする機会が滅多に無い日本人は尚更です。

頭の中で言う事が整理されておらず、資料を読むだけ、突っ込まれたら「持ち帰って検討します」、では会議や交渉の意味は無く、それこそ時間の無駄(メールでやりとりするより時間が掛かる)です。

ただ、これは上の人が手本を見せなければ若手には伝わらないでしょう。会社の幹部からして「会議の効率と生産性向上のため、資料は会議の前日に出席者に配布」とか指示しておきながら、前日配布しても読んじゃいない幹部もいたりします。そうすると、結局資料の内容を一から説明することになり、結局本題の議論に時間が充てられず、「結論は次の会議に持ち越し」なんてことになり、それこそ「幹部も含めてみんな仲良く無駄作業」になっちゃいますよね。

先日とある会議の資料をルールに基づき前日配布したところ、ある部長さんからその日のうちに「会議の中で聞くまでもないことだから先に質問事項を送る」と、5つ程の資料に関する質問をメールでもらいました。これに即座に回答したところ、「あなたが言いたいこと、会議の持っていきたい方向性がよく分かりました。〇〇の箇所については私も後押しします」と。

そう、これこそが「前日配布」の意味ですよね!私もこのやり方を見習いたいと思いました。

 

・・・話が脱線しました。。

 

この「無駄な資料作り文化がホワイトカラーの労働生産性を引き下げる要因だ」という江上さんの意見に強く賛成します。

じゃあ、そこを改善すれば欧米並みの労働生産性になるのか、というと、それ以外の要因も改善する必要があると思っています。

それは、脱線中に話した「結論出ず次に持ち越」される日本的意思決定会議のプロセスです。

 

ここまでで既にかなり長くなってしまったので、ここからは「後編」として、もう一つのネット記事を引用しつつ書いていくことにします。

 

最後までご覧頂きありがとうございました!