山と写真と毎日と

アラフィフのおっさんが趣味の登山・写真・日常を綴るブログ。

日本の観光資源を安売りし過ぎている、と思う現在の「インバウンド」。

こんにちは、GreenFielderです。

ノースカロライナ遠征」記事の途中ですが、1本別の話題の記事を差し挟みます。

 

休日の午後、執筆中のはてブロ記事を完成させようとPCを起動し、まずさーっとネット記事を見ていく中で、一つの記事が目に止まりました。それは以下の記事です。

日本の観光業を苦しめる「"安すぎる"値付け」問題 日本は「観光"未"立国」だ!残念すぎる現状 | レジャー・観光・ホテル | 東洋経済オンライン

記事というよりは、立教大学経営学客員教授で、イベント企画・プロデュースなどを行う「株式会社an」を設立し現在代表取締役を務める方のコラムです。

そして、この中に驚くべき事実が記されていました。

私が憧れる「熊野古道」。いにしえの旅人や修行僧が歩いたあの紀伊半島のルートです。私にとって「自然に癒され、日本の古き良き伝統を感じられる道」ということで、一度は歩いてみたいルートです。ただ、その道を歩きながら、古道とその周辺の歴史なども聞きながら歩けたら、更に素晴らしい体験になること間違いないでしょう。

そんな熊野古道に重要な付加価値を与えてくれるガイドさん。このガイドさんのガイド料が「たったの」1万5千円だというのです!これ、一人当たりのガイド料じゃないんですよ。6~20人に対するお値段です。もし20人が参加したら、一人当たりでは千円に満たない金額です。今の為替で米ドル換算すると、たったの5ドル。今のアメリカなら、一回昼食を我慢すると、熊野古道ツアーに2回行けてしまうことになります。それはあまりに勿体ないことではないでしょうか。

別の見方をしてみましょう。

まず、記事の中にある「7時間コース」(ガイド料は1万5千円)で考えてみます。このガイドさんは、きっとガイドになるために、熊野古道に関する様々な知識を得るために相当な勉強が必要だったでしょうが、そこは時間に換算しづらいので無視します。

単純に、コースの始点・終点とご自宅との往復で2時間ほどかかるとします。また、参加者とのやりとりや、当日の天候・コンディション等のチェック、自らの準備、等を含めると、おそらく拘束時間は12時間程度はあるでしょう。だとすると、この方の拘束時間に対する時給は1,250円です。もはや政府の定める「最低賃金」レベルです。これはあり得ませんし、ガイドの成り手がいないのも当たり前です。

この低価格設定は何が原因なのか、よくわかりませんが、このような「価値の安売り」は絶対してはならないと思います。何故なら、①上述のようにサステナブルなビジネスにならない、そして②熊野古道の価値自体を安くみた観光客が詰めかけ、「オーバーツーリズム」の原因になる、と考えるからです。

私からすると、例えばこの7時間コースのガイド、且つ英語が話せる方であれば、2000ドル、つまり30万円をガイド料として受け取っておかしくないと思います。20人で参加すれば、一人100ドル、これは海外のガイド料としては一般的だと思います。

日本人からすると、「30万円は高過ぎだろう・・・」と思うかもしれません。でも、それなりに理解のあるインバウンド客であれば、そしてこの熊野古道を「是非歩きたい」と思っているようなお客さんであれば、絶対に払うと思います。逆に、「そんなに高いんじゃあやめとこう」という価値の分からないインバウンド客は参加しなければよいのです。

日本人は日本の物価基準で考えてはいけません。日本はもはや海外の物価感覚に対して1.5~2倍安いわけですから。

(私の日本の物価に関する記事はコチラ☟を読んでみてください)

onedayhike.hatenablog.com

onedayhike.hatenablog.com

世界的に見ても素晴らしい日本の観光資源の価値・品質を安売りしてはいけない、という考え方は、以前TOKYO MOUNTAIN TOURS主催の講習会で学んだ知識と、仕事を通じて感じた「日本の物価の安さとモノ・サービス品質に対する安売り具合」からです。

onedayhike.hatenablog.com

単なる観光資源だけの話ではありません。

日本という国の価値、日本人としての価値、というものが世界的に高く評価されていることに気付き、自信を持って「自らへの高い値付け」をしていくべきだと思っています。

 

・・・というところで筆を置くつもりが、今度は同じ永谷さんのこんな記事が・・。

2000円→1.8万円に値上げしたら大繁盛…外国人観光客に"お金を落とさせる"福岡の藍染工房の絶妙なアイデア 日本の観光地はお金儲けが下手すぎる (3ページ目) | PRESIDENT Online(プレジデントオンライン)

そうそう、インバウンド客にはどんどん「日本の価値を適正なValueで」エンジョイしてもらいましょう!

 

最後までご覧頂きありがとうございました。

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