こんにちは、GreenFielderです。
今回は久々になりますが、「山野井本紹介」に続く山岳本のご紹介です!
皆さんには(余程山岳本マニアでないと)ご存じないと思いますが、志水哲也さんという方の本のご紹介です。
この方自身の紹介は、以下のブログ(私もこのブログで志水さんを知ったのですが)にあるので是非見てみてください!
この方の何がすごいかというと、「フツーの人なんだけど凄さがフツーの人に分かることをやっている」ということです。
・・・分かりずらいですね。。
先般ご紹介した山野井さんは、ある意味「凄いことをやってる人」なのは分かるけど、「どれくらい凄いのかはフツーの人には分からない」のです。
もはや普通のハイカーのイマジネーションを超えることをやっていて、「自分がやったらどうなるんだろう?」と想像することを諦めるレベル、とでも言いましょうか。
それに比べて、志水さんがやってきたことは、普通のハイカーに想像できます。例えば、志水さんの著書、「大いなる山 大いなる谷」の最初に出てくる、高校卒業前に実行した、「北アルプス全山縦走」。
これなら、そこそこ北アルプスの登山経験がある人にとっては、実際にやってみたらどうなるかが想像できて、「そりゃあ凄い!」と凄さが実感できるのです。
そして、この方の特徴は、「どのアルピニスト・カテゴリー」にも属さないところです。夏山もやる、冬山もやる。尾根歩きもする、沢登りもする、ロッククライミングもする、という感じで、あるジャンルに特化していないのです。この辺りは、「大いなる山 大いなる谷」の巻末に記載がありますので読んでみて欲しいです。
そんな志水さんが若い頃に書いた「大いなる山 大いなる谷」と「遥かなる山稜」。
彼の若い頃の長期間に渡る「全山縦走」や「全沢遡行」「冬春季北海道山稜南北縦断」などの記録と、その時の筆者の思いが日記的にしたためられています。
私が読んで印象深かったのは、登山の中身よりも、登山中に筆者が思った、感じたことに関する叙述部分です。
文章自体が洗練されている訳ではないのですが、若いからこその「熱量」がほとばしる文章なんです。
そこには将来への不安、「自分はどこに向かおうとしてるのだろう」という自問と、それへの答えを登山の中で導き出そうという葛藤が赤裸々に語られていて、なんとも瑞々しい気持ちになれるのです。「自分が同年代の時、そこまで自分を見つめていただろうか」と恥ずかしくなるくらいに。
というわけで、早速息子にも読むように勧めております 笑
勉強もそこそこにノホホンと生きている息子に「自分もそうだったなー」とは言えないので(笑)この志水さんの本を読んで、何か感じるところがあればなー、と思う次第です。
そんな若さ溢れる二つの本、一つは最近ヤマケイ文庫で復活!もう一つは運が良ければ見つかるかも?少なくとも中古本は見つかるので、ぜひ入手して読んで欲しいと思います!
最後までご覧いただきありがとうございました!