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アラフィフのおっさんが趣味の登山・写真・日常を綴るブログ。

バージニアで「紫金山・アトラス彗星」を鑑賞!

こんにちは、GreenFielderです!

毎度天文系の話題ですみません、今回は最近「低緯度オーロラ」と併せて天文ファン界隈を賑わす「紫金山・アトラス彗星」の鑑賞記録です!

 

1. そもそも「紫金山・アトラス彗星」はどんな彗星?何が凄いの?

この1項で、まずうんちくを述べようとしていた矢先に、「sunsun fineな日々」のさん太さんが以下の記事を投稿されてましたので、こちらを見てください(笑)

紫金山・アトラス彗星 (C/2023 A3) を撮影しました #Tsuchinshan-ATLAS - sunsun fineな日々

更に、参考としてウィキのリンクも貼っておきます。

紫金山・アトラス彗星 - Wikipedia

まあ、簡単に言えば、「もう二度と見れない、しかも結構良く見える彗星だよ」ということですね(笑)

1つだけ注意点は、さん太さんの記事にもある通り、次に来ると予想されている彗星も「アトラス彗星」と命名されてますが、こちらの附番は「C/2024 S1」で別物です。彗星は発見者名を附番と共に彗星名に付けることができるのですが、「紫金山」や「アトラス」は人ではなくシステム・天文台の名前で、特にアトラスは地球に衝突するかもしれない小惑星の探知を専門にしているのですから、当然新彗星を発見する可能性が高いわけで。今後は来る彗星が全て「アトラス」と命名されてしまうかもしれませんね。天文界を揺るがす大問題に発展しているとかしていないとか。。。

 

2. 鑑賞のきっかけ

ここバージニアに来てから星空写真に傾倒して「もっと天文知識を会得したい」との思いから、星空写真系・天文系YouTubeをよく見るようになりました。そうすると、最近になって、私が見ているそれらYouTubeチャンネルがこぞってこの紫金山・アトラス彗星を話題にし始めたのです。

最初は「流行りものに興味なし」とうそぶいておりましたが、10/13頃から近日点通過後の明るく長い尾を引いたこの彗星が夕方の西空に「肉眼でも」見えると聞き、ウズウズしてしまいまして・・・(笑)

ただ、夏の天の川のように「新月期の夜に、光害の少ないベストスポットで真夜中にじっくり」というわけにはまいりません。何せ、太陽が沈んだ直後から2~3時間程度しか見ることができないわけですから。

ということで、まずはアパート屋上のバルコニーからの撮影に挑戦してみることにしました。

 

3. 彗星鑑賞記録

①10/14(曇り予報)

この日は日本が月曜日で祝日だったこともあり、特に夜の会議予定もありません。まずは手っ取り早くアパートの屋上のバルコニーから彗星を狙ってみることにしました。そもそも本日の天気は曇り。まああまり期待しないでおきましょう。

帰宅してアパート屋上に上がると強烈な寒風が吹きつけてきます。ここバージニアも一気に気温が下がって寒い寒い。。。ちょうど太陽が分厚い雲の中に沈んでいくところでした。

雲間に沈む夕日。

意外と晴れ間が広がっています。それにしても、彗星ってどのあたりにいるのだろうか?☟の写真だけ見ると美しい夕景ですが、屋上は容赦ない寒風が吹きすさびます。

美しい夕焼け。

とりあえず得た前知識は、「まず金星が西南西の低い空に見えたら、そこから西に目を向けると彗星がいるはず」ということでした。でも肉眼では全く見えません。

とりあえずやみくもに写真を撮ってみます。

西の空・・・(彗星見つけられましたか?)

・・・あっ、いた!いました!

望遠して彗星を拡大。

紫金山・アトラス彗星。

おおおっ、ちゃんと「彗星」だ!

くっそ寒い中、どんどんビル群に向かって沈んでいく彗星をじーっと(ぼーっと?)眺めていました。

streamable.com

そして最後は高層ビルの向こうに消えていったのでした。

高層ビル付近の彗星。

曇り予報で期待していなかった分、こんなに長く彗星を見ることができて大満足!そして、翌日もまた彗星鑑賞することを決めたのでした!

ちなみに、☝のタイムラプスは画面がグラグラしていますが、これは私の貧弱な三脚が強風に揺れたためです。どうしても脚を最大に伸ばさないと柵が写りこんでしまう状況だったのでね。。バッチリとブレないタイムラプス動画を作りたいなら脚の太い三脚がいるよな~。(沼)

 

②10/15(曇り予報)

翌日火曜日は夜に日本との会議があります。

が、今は非常に便利なツールがありまして、会社携帯からでも普通に会議に参加することができます。そしてこのアパートは屋上のバルコニーでWiFiが繋がる。一度アパートに帰宅後、会社携帯とイヤホンで会議に参加しながら彗星鑑賞へとしゃれこみます。

すると、カメラを三脚に設置したところでアメリカ人の若い男性がバルコニーに入ってきて、カメラを構える私を見つけるなり聞いてきました。

「彗星は見えるかい?」

「ああ、見えるよ。」

「マジかよ!チョーすげー!!」(というようなことを言っていた)

「わかる?ほら、あそこ、あの辺り。」(と指を指す)

「えー、わかんねーなー。。ちょっと背面液晶見せてよ!」

言うなり彼は私が既に照準を定めたカメラの背面液晶を見て、

「おー、ホントだ、いた!」

と、私のより高級なソニーのフルサイズ機に白レンズ(望遠系の高級レンズ)を構えますが、やはり見つからない様子。しばらくしてやっと彗星を見つけて撮影を始めました。

「うーん、なんかイマイチな写りだなー。。」

「僕は5~10秒くらい露光してるよ。三脚使った方が良いんじゃない?」

「そ、そうだな、取ってくる!」

言うや否や、彼は自分の部屋に戻り、帰ってくるとテーブル三脚を設置して撮影し始めました。

「おー、撮れた撮れた!」と撮影に興じ、彼は私より先に去っていきました。まあ寒いからね(笑)

この日は分厚い下層雲に阻まれ、彗星鑑賞は☟の写真撮影後に終了。

雲の向こうに消えゆく彗星。

 

③10/16(曇り予報)

この日は夜の会議は事務所で済ませ、急いでアパートへ戻り屋上に上がりました。すると、昨日の男性が先にべスポジに陣取っていました。

「おー、今日も来たかい!」

「どう、今日も見えてる?」

「バッチシだよ!」

彼は三脚に高級カメラ+レンズを設置しつつ、携帯カメラで彗星をバックに自撮り、みたいなことも挑戦してました(うまく撮れたかは不明・・)。

そして私の方はと言うと、昨日とあまり変わり映えのしない構図。。まあそうだよね、同じ場所から同じ被写体を撮ってるんだから。

高層ビル群と彗星。

そしてこの日、彗星の明るさが日に日に失われていることを実感しました。2日前はビルに近づいてもそこそこ見えていたのですが、今日はビルの光源に近づくとカメラでもあまり写らなくなってしまいました。

やっぱりギンギラギンの街明かりがある構図はダメだよねぇ。。

こういう時、ポータブル赤道儀があればなぁ。。(沼沼)

 

④10/17(快晴予報)

前日の状況を踏まえ、且つ本日の快晴予報も鑑み、この日は少し街を離れることに。行き先は先日低緯度オーロラを鑑賞した場所です。

onedayhike.hatenablog.com

ただ、この日も日本との会議があったので、行きすがらのガス・ステーションで車を停め、会議を終えてからその場所に向かいました。

そして、やはり街中で撮るよりもしっかりした輪郭で彗星が捉えられました。この日はあいにくスーパームーンで背後から爛々と月が照っていましたけれど、それにも負けない姿を(写真の中では)見せてくれました。

牧場に彗星。

そしてここでもタイムラプス。

streamable.com

でも、これだけ光害の無い場所でも、やはり地平線に近づくとカメラでも姿を捉えるのが難しくなってしまいました。

地平線へ沈みゆく彗星。

これだと翌日は期待できないかな、と、この晩を最後に彗星鑑賞を終了することを決めたのでした。

そして、本来スーパームーンの夜に挑戦するのは無謀だけど、一応天の川撮影もチャレンジ、薄っすらとは写真に収めることができました。

薄っすらと天の川。

 

初めての彗星鑑賞でしたが、やはり尾を引く天体には何か神秘的なものを感じました。今後も「大彗星となるか?!」みたいな記事をチェックして、次のチャンスにまた挑戦してみたいと思います。

 

最後までご覧頂きありがとうございました!

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