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アラフィフのおっさんが趣味の登山・写真・日常を綴るブログ。

上信越高原遠征記② 〜「常布の滝」への苦難の道〜

こんにちは、GreenFielderです!

前回記事「渋峠で日の出を拝む」に続く、上信越高原遠征記の第二話です!

*第一話はコチラ↓

onedayhike.hatenablog.com

 

渋峠での朝の景色を満喫した私は、往路で上ってきた峠道を下り、草津温泉手前で林道に入ります。

向かうは「常布の滝」へのトレッキング・コース入り口です。

 

1. 常布の滝

そう、次の目的地は「日本の滝百選」の一つでもあり、滝壺まで行くのに「藪漕ぎ」が必要と言われる「常布の滝」です!

以前「日本の滝百選」の滝を調べた時に、常布の滝の姿に惚れてしまいました(笑)

岸壁から40m程を真っ直ぐに力強く落ちていく滝自体もカッコ良いのですが、滝周辺の岩の感じとその岩の色合いがなんとも不思議で、「いつか訪れたい滝」のひとつになりました。

ネットでこの滝への訪問記を読むと、かなりの藪漕ぎが有り、且つ道迷いしやすそうです。かといって、正確なルート地図も持ち合わせていないため、先人達の記録を頼りに行きます。今は登山アプリで他のハイカーの歩行ルート記録がすぐに見つかるので便利ですね!

 

2. 探検開始

さて、この常布の滝へのルートは、実は幾つかあるようです。元々は草津温泉から芳ヶ平へ続くトレッキング・ルートが有り、常布の滝への「藪漕ぎルート」はそのトレッキング・ルートの枝線的なものです。

私がそれを知ったのは、現地を歩いてからだったので、今回のルートはネット調査結果を元にしています。

渋峠から下り、草津温泉ゴルフ場入り口の手前で左へ120度ターンする道があります。ここを入って行き、途中からダートになってもひたすら進み、「通行止め」バリケードの手前まで来たら車を停めるスペースが2〜3箇所有るので、そこに車を停めます。私はここで朝食を食べ、登山ウェアに着替え、備品類をチェックして、準備を整えいざ出発!

*なお、このルートは実際には閉鎖されているルートの扱いのはずです。元々は正式な登山ルートだったと思われますが、この「通行止め」バリケードのすぐ先で左側の崖が崩れており、その後特に崖崩れ防止策も取られていない様子なので、ここを通る場合は「完全な自己責任」です(登山は元々全て自己責任ですがね)。県道55号線を少し進んだ草津温泉ゴルフ場手前に正式な登山道が有ります(YAMAP地図には登山道入り口として表示)。コチラの方が間違いなく歩きやすいルート(藪漕ぎルートに入るまでは、という意味ですが)ですので、こちらから歩くことを断然オススメします。

 

3. 苦難の道(序盤編)

さて、完全自己責任の崖崩れ箇所を足早に通り過ぎて、テクテク歩いて行きます。崖崩れ箇所から橋を渡るまでは普通の林道なので、特に難しい要素はありません。

藪漕ぎルートに突入するまでは、超望遠レンズを取り付けて野鳥撮影しながら歩くことにしていました。

しかし、橋を渡ってから様相が変わってきました。

「あのー、道が見えないんですけど・・・」

とにかく草ボウボウで、まだ序盤なのに早くも「藪漕ぎ」状態に(笑)

しかも、こんなところを結構な距離歩かされます。帰路でもこんなところを歩いていくのかと思うと、早くも気が重くなります。。

 

4. 常布の滝遠望地点

草ボウボウの道を登っていくと、正式な登山道と合流しました。そこからは、これまでの道が何だったのかと思うくらい歩き易い広い道です。

そしてすぐに、常布の滝を遠望できる地点に到着!

どれどれ、では見てみましょう!

ふむ、大分まだ距離があるように見えますが、登山の世界では「目と鼻の先」です。でもそれは「普通の登山道」の場合の話です。

それにしても、遠くからでも滝周辺の奇岩ぶりが垣間見えますね。

 

5. 藪漕ぎルート突入!

では先へ進みましょう。ここからがこの滝見ハイクの核心部です。

まず看板を見ます(拡大して見てみてください)。

そう、この右下の黄色い自動車道と赤い登山道の交差点が、YAMAPで「登山道入り口」とされているところです。

そして、この常布の滝遠望地点からは芳ヶ平まで歩けるんですね!先程渋峠から眺めたばかりですが、あの湿原地帯もさぞ美しい風景なんでしょうね!

さて、更に穏やかな道を歩いていくと、、

遂にきました!

立ち入り禁止のバリケードと、更に「このコースは上級者向けコースです。岩場が多く滑りやすく危険な為、登山に自信のない方はご遠慮ください」との看板が。

これ、後からの体感ですが、この表現に嘘偽りは有りません。私自身が「上級者」かと言われると自信は有りませんが、少なくとも①3点支持能力、②ルートファインディング能力、③藪漕ぎ能力、くらいは無いと難しいと思います。

私も流石にここは万全を期します。

藪漕ぎする場合、肌を露出していると草木を掻き分けていく際に擦り傷を大量に作ることになります。また、道中に漆のようなかぶれ成分や棘が付いた草木もあるかもしれません。そこで肌は(顔以外)全て覆えるように、雨具(上)、手袋、スパッツで全身防備。クッソ暑いですけれどね(笑)

そして、ここからはカメラも藪と露でダメージを受けないようザックに仕舞います(よってここからの写真はスマホ撮影)。

そして、いざ藪漕ぎ突入!

いきなり目の前に「道無き道」が広がります。いっちょ行きますか!

道無き道では有りますが、必ず視界にピンクテープが有りますので、それを見失わぬよう慎重に谷を下ります。

一旦下った後はトラバースに入ります。そしてこれが非常に危険!

このように、倒された笹の枝が谷側への強力なスリップ効果を生み出し、靴がズルズル滑ります。なので、笹の茎を何本か掴んで安全確保しつつ進みます。

ピンクテープが無い箇所には鎖やロープが有り、道標になりますが、これら鎖・ロープを固定している杭自体がすっぽり地面から抜け落ちている箇所多数なので、体重を預けることはできません。また、登山道脇の朽木もボロボロなので、安全確保には折れない木、抜けない草であることを確認しなければなりません。

 

6. 最初の滝?!

そんなこんなで体力的・精神的に消耗しつつピンクテープを頼りに下っていったところ、突然滝の前に出ました。

「あれ、おっかしいなー・・・」

まだ常布の滝には着いていないのに、沢に降りてきてしまいました。そしてこの沢伝いに上流に遡れそうなルートも有りません。

「ここまでピンクテープを頼りに歩いてきたんだけど・・・」

後で分かりましたが、この滝の向かって左奥に温泉が湧き出してる「滝下温泉」なる野湯があったみたい。そこに至るためのピンクテープだったんですね。

とはいってもこの滝も十分に見応えのある名瀑ですので、しっかり三脚立てて写真に収めました。

一応短いシャッターで滝の勢いも分かるようにしておく。

案の定、帰路はヘロヘロでこちらに立ち寄る気力も無く、ここでしっかり撮影しておいて正解でした(笑)

そして、ちょうどこの辺りでコゲラを発見!まだ幼い雰囲気で、警戒心無く結構近くに止まってくれました。

 

7. 常布の滝に到達

一度沢まで降りてきてしまいましたが、まだ斜面の上の方をトラバースする必要があるはず。また登り返します。

写真では分かりづらいですが、かなりの急斜面です。。

迷った挙句、漸く先へ続くトラバース・ルートを確認、再び藪を掻き分けながら進みます。

そして、漸く滝手前のガレ場に到達しました!

写真はガレ場を下りてきてから振り返って撮影したもの。ここもいつ落石があるか分からないので、滑落しないよう慎重に、でも足早に通り過ぎました。

そしてここではキセキレイ?も発見!

・・・まあ証拠写真レベルですけれど。。

そして、藪を抜けると、眼前に大きな滝が!

遂に到達しました!やったね!

まずは荷物を下ろして水分と栄養補給、そしておもむろに写真撮影会の始まりです!

 

8. 何に見える?

目の前に広がる光景は、一種独特でした。

滝の両側の岩壁が、水に含まれる硫黄などのミネラル分で色付いてます。縦の岩筋は柱状節理によるものでしょうかね。

やはりこういう水量豊富な直瀑は短いシャッターで撮った方が印象が伝わり易い。

三脚を使って自撮り。

ちなみに、この滝壺付近はすごく水飛沫が飛んできて、レンズを濡らします。なので、撮影するために滝にカメラを向けたら、いちいちレンズを拭く必要有り。

次に、滝の向かって左側の斜面の上へ。

この写真、後から見て「ハッ」となりました。

右下にある朽木が、ぱっと見だと「灰色のワンピースを来た女性が滝の写真をスマホで撮ろうと身を乗り出している」ように見えたのです!

そして、この滝の左側の岩の造形がまた「何かに見える」のです。

例えばこちら。

岩の窪んだところをじっと見てると、なんとなく「小坊主が笑っている」ように見えま・・・せんかね?(笑)

次にこちらはムンクの叫んでる人の横顔」

更に、「黒い女神の横顔」と手前の「黒いハートマーク」

どうでしょう?疲れて幻を見てたのかしらん?!

この岩壁にある「ミネラルのつらら」は、興味深く観察しました。

一体どれだけの年月をかけるとこんな形になるんでしょうねぇ。悠久の時を感じさせてくれます。このつららにへばりついて生きている苔の緑もとても美しい。

この滝周辺の苔はとても緑が鮮やかでした。

そういえば、滝の全体像が撮れてませんでした。私のレンズの広角端(換算28mm)では収まらないので、スマホの縦パノラマで撮影。

 

9. 苦難の道再び

さあ、十分に常布の滝を堪能しました。去り難いですが、次の目的地もあるので戻りましょう。

帰路は迷うことなく一気にトラバース・ルートを戻ります。そして、トラバース完了後に谷筋を登っていくルートを見上げて、、

うんざりします(笑)

登る時は顔面付近に笹藪が覆い被さってくるので、更に体力を消耗、ヘロヘロになって無事藪漕ぎ終了となりました(笑)

いやー、よく歩きました!

この後は再び気持ち良い登山道を歩き、

草ボウボウの道を歩き、

落石の脇を通り抜け、

鳥やトンボを愛でながら、

無事帰還!

 

体力・精神ともに消耗しましたが、良い滝見ハイクでした!

車でゆっくり休み、次の目的地へ出発です!

 

最後までご覧頂きありがとうございました!