こんにちは、GreenFielderです!
今回は、「初心者が上手くなった気になれる方法」の最終回、「RAW現像」について話したいと思います!
RAW現像と聞くと、小難しく聞こえるかもしれません。が、ご心配は無用です!RAW現像ソフトは、カメラに付随する各メーカーのソフトも有れば、サードパーティー系のソフトも有ります。
私は然程経験が無いので、自分が使っているAdobeの「Lightroom」を元に現像の楽しさをご紹介します!
ちなみに私の場合は、元々カメラ・レンズ・アクセサリ・腕前(ここ大事)、いずれも性能が貧弱なので、それを補うためにもRAW現像は重宝してます。
*注意事項*
ここではLightroomの「使い方」マニュアル的な説明は一切有りません。基本的には「使用前・使用後」の写真を紹介する目的です。しかもあくまで「素人目線」ですのでご容赦ください。
1. RAWとは?
皆さん、RAWって知ってますか?RAW(ロー)、或いはRAW画像(ローがぞう)というのは、カメラの撮像装置から吐き出されるナマに近い画像データのことです。
敢えてナマに「近い」と言っているのは、必ずしもただ吐き出されたデータでなく、カメラ内で一定の処理をしてあるためです(と、とあるYouTubeでカメラマンさんが言ってました)。
一方、普通にPCやスマホにダウンロードしてすぐに見られる画像がJPEG画像(ジェイペグがぞう)です。こちらは撮像装置から吐き出されたデータをカメラ内で「適切とカメラが考える」調整を加え、不要なデータを落として(つまりデータを圧縮して)作成されます。
よって、JPEG画像はデータが軽く、簡単に画像を見ることができるのに対し、RAW画像はそもそも専用ソフトが無いと見ることが出来ませんし、データもJPEGよりもかなり重いです(私のマイクロフォーサーズでも、JPEGが1〜5MBくらいなのにたいし、RAWデータは20MB近くあります!)。
しかし、このRAWデータ、重い分だけ「秘めた可能性」があるのです!
皆さん、写真を撮ったら、逆光で手前の山が真っ黒になっちゃった、ということありませんか?この一見「真っ黒」な部分、RAWデータを使えば山肌が復活できるかもしれませんよ?!
JPEG画像は一旦余計な(とカメラが考えた)データは落とされてしまっているので、同じような操作をしてもうまく復活しない(画像が荒れる)場合が殆どです。
この、RAWデータの操作と、操作後データをJPEGに変換することを「RAW現像」と言います。
2. 何故「Lightroom」?
先程述べたように、RAW画像の編集には専用のソフトが必要です。
だいたいデジタルカメラを買うと、そのメーカーのRAW現像ソフトが無料で使えるようですね(私が使っているパナソニックでは機種が古いからなのか有償なので、どうせ金払うなら使い易いLightroomにしよう!となりました)。
このLightroom、スマホ版は無料で使えるので、私はそこから入り、操作方法等は感覚的に慣れていたので、PC版を使っても違和感なく入っていけました。なので、カメラ初心者さんでRAW現像に興味がある方は、まずスマホ版("Lightroom Mobile")を使ってみて、「RAW現像楽しぃ〜!」となったら、PC版を使ってみるのが良いかもしれません。PC版でも「30日間無料お試し」が出来ますが、こちらから積極的に解約しないと「自動有料継続」になってしまうので、お気をつけください。
ところで、最近はiPhoneの標準写真アプリでも、Lightroomに似た編集操作ができるようになりましたね。ただ、あくまでJPEG画像の編集なので、できることに限界があるなぁと思ってます。
それでは、次項よりLightroomの使用例を見ていきましょう!
3. 使用前・使用後#1〜黒つぶれを解消
まず、こちらの写真をご覧ください。
こちらは鳥取県の伯耆大山(ほうきだいせん)をナイトハイクした時の頂上からの写真。そもそも日の出前な上に、残念ながら山頂がガスってしまい、避難小屋と下界方向を撮ったものの、何がなんだか分かりませんねぇ。。
そこで、Lightroomの「シャドウ」を明るい方に引き上げ、更に露光量も上げます。ただ、元々暗いデータなので、無理やり明るくすると、画像にノイズが出てしまいます(「ノイズ」がどんなものかは後で説明します)。
そのため、最後に「ノイズ除去」を使って大幅にノイズが減りました(ただし、ノイズを消すために画像のキレは失われます)。
編集後がこちら。
ほら、RAWデータは真っ黒い中にちゃんと絵のデータを保持してるでしょ?これなら現場の雰囲気が説明できるくらいにはなったと思います。
次に、こちら。
これは北アルプスの針ノ木雪渓の取り付き付近。日の出直前の静かな沢を撮ったもの。沢の水面に反射する光が強調されて、それはそれで面白い写真なのですが、あまりに周囲が暗すぎますね。
ということで、ここはまずシャドウを明るくして、かつ空の色を強調したいのでハイライトを落とす。
すると、、
こんな感じ。こっちの方が雰囲気が伝わりますよね?
お次はこちら。
こちらは磐梯山の櫛ヶ峰付近から桧原湖と吾妻連峰を撮影したもの。せっかくの良い景色なのに、写真右下部分が真っ暗です。。
このシャドウ部分を明るく持ち上げると、、
鮮やかな景色に化けました!実はこの写真はカメラのビューで見た時は「ボツだな・・」と思っていたのですが、シャドウを持ち上げたら良い写真に仕上がって、この日のベスト写真候補になりました!
RAW現像によって、階調がイマイチなカメラでも、後から階調豊かなカメラで撮影したような絵が手に入ります!
4. 使用前・使用後#2〜色合いをはっきり
次に色合いの調整です。後から述べますが、私は色合い調整と言っても、Lightroomの色合い機能は殆ど使いません。これを使うと色が「わざとらしくなる」からです。
基本的には、「ハイライトを抑える」、「かすみを除去する」(これも後ほど述べます)、を使います。
まずはこちら。
こちらは針ノ木岳の登り途中で振り返って撮った蓮華岳。この山、山頂付近の真砂の白さが美しい山です。でも、背景の空が白飛び気味。これをハイライトの抑制で空の色を強調します。
すると、、
こんな感じ。雲の濃淡も強調されて、良い感じになりました!
次は、もう少し突っ込んでみた例。
御坂山地の雪頭ヶ岳から早朝の丹沢方面。手前に河口湖も入って良い写真なのですが、「ふーん」な感じ。せっかくの近景も暗いだけ。
これをもう少し色彩豊かにするために、「シャドウ持ち上げ」「ハイライト抑え」「かすみの除去」の合わせ技を用いました。
すると、、
こんな感じに!手前の木の緑、空のオレンジ色が強調されました!山並みの重なりもしっかり見えますね!
え、「嘘っぽい」?いえいえ、実際に見た風景はこのくらい美しく脳裏に焼き付いているのですよ 笑
5. 使用前・使用後#3〜霞飛ばし
先程の写真でも既に使ってましたが、続いて「かすみの除去」の使用例です。
以下の写真は、すぐ上の写真とほぼ同じ方向を少し太陽が高い位置に来てからズームして撮影したもの。
この日は全体的に霞が掛かって、遠景がノッペリしてしまい少々残念な感じでした。でも、ここからかすみ除去すると、
ほら、この通り、全体的にクッキリしてくれました。空の色も先程よりも鮮やかですね!
もっと分かりやすく、みんな大好き富士山のケースも紹介します。
上の写真とほぼ同じ時間の富士。
目の前にドーンとあるのに霞んでいてイマイチ。なのでかすみ除去します。
ほら、クッキリしてイケメンになったでしょ?
ボヤ〜っと霞んでしまった写真を印象的にするなら、「かすみ除去」が効果的です!
6. 使用前・使用後#4〜ノイズ飛ばし
ただ、手を加えれば加えるほど、ノイズが酷くなります。これは、元々階調・解像度の良くない画像を無理矢理操作するので、致し方ないと言えます。ノイズが出てくるケースとそのノイズをどの程度除去できるのか、同じ富士山の写真を拡大して細部を分かりやすくお見せします!
まず、無調整の画像(違いが分かりやすくなるようにトリミングして拡大)。
悪くはないですが、もうちょっとメリハリを付けるために、まずかすみ除去します。
大分クッキリしました。でも、もう少し立体感出しましょう。
凹凸をもう少しシャープに。。
しかし、更に拡大すると・・
なんかブツブツな粒子が。。これでは拡大に耐えません!なので、ここにノイズ除去を施します。すると、、
ふぅ、なんとかブツブツは消えました。。しかし、先程も言いましたが、絵はノッペリしてしまいます。
夜景写真でも、感度の低い私のカメラだと、そもそも星などがオリジナル画像では見えてこず、暗部を持ち上げる(明るくする)と、ノイズ出まくりになります。そういう時にもノイズ除去必須です。なので、この私はこの機能も重宝しています。
7. あまり使わない方が良い調整機能
先程も書きましたが、私は色味調整にLightroomの色彩調整機能は使いません。使うととても「わざとらしい」色になってしまうからです。なので私は極力その他の方法で色味を引き出す工夫をしています。
いかがでしたか?
RAW現像で出来ることって沢山あるでしょ?
私自身の感覚では、このRAW現像のプロセスは、写真を撮ってる時と同じくらいに楽しいひと時です。
ある意味、写真撮影は「画像素材を記録する」もので、RAW現像は「素材を料理する」もの、という感覚です。
この楽しみが広がる「RAW現像」、是非お試しください!
最後までご覧いただきありがとうございました!