こんにちは、GreenFielderです!
前回に引き続き、ニューハンプシャー旅の2日目、本命のPresidential Rangeを歩くお話です。
(前回記事はコチラ☟)
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1. 熊との遭遇
朝、徐々に明るくなった5時半頃に出発、本日はDaniel Webster Trailから、Presidential Rangeの東端のピーク「Mt. Madison」に取りつき、そこからPresidential Rangeの主要峰を縦走していく計画です。

まずは紅葉した落葉が敷き詰められたトレイルを緩やかに登っていきます。

30分ほど歩いたところで、右前方から「ガサガサガサ!!」という大きな音がして、約30m先の木から黒い大きな物体が降りて、地上に降りるや否や、私と反対方向の草むらにジャンプして消えていきました。
消えてから「ドーンッ!!」という音もしたので、もしかしたら動揺して何かにぶつかりながら逃げ去ったのかもしれません。
大きさから、明らかに子供ではない成獣の熊(Black Bear)だったと思います。
私はその情景を見て凍りつき、暫くその場に立ち尽くした後、少し考えました。
「進むか、退くか。」
でも、スタートして30分でやめたくない。
ここからは、iPhoneでIBUKIステーションを大音量で流しながら、見通しの悪そうな場所では大きな声(「熊さぁ~ん、失礼しますよぉ~!」と日本語で)を出しながら、森の中を登っていくことにしました。

傾斜は徐々に増していき、私はトレッキング・ポールを使いながら、なるべく足が消耗しないように登っていきます。

急な斜面をトラバース気味に登っていくと、徐々に空が見えてきました。

そして、遂に森林限界線に来ると、木々の切れ目から展望が。

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2. 岩場の急登と素晴らしき展望
森林限界線を超えてくると、素晴らしい展望が徐々に見えてきました。

山と山の間は、一面紅葉してます!

そして、まだ上空に残っていた雲がちょうど太陽の光を遮り、その雲間から神々しい光芒が幾つも!

そして、東側以外の空は快晴になりつつありました!

そして、岩稜帯に入りました。そこで大休止をしつつ、撮影会。

撮影会をしていたら、本日初めてのハイカーさんとの遭遇です。
明らかに足が私より一回り以上太いそのハイカーは、岩稜帯をガツガツ登っていきました。その先にはこれから目指すMt. Madisonが。

Mt. Madisonまでも、そしてその先のMt. Washingtonまでも、まだまだ道のりは遠い。先へ進みます。
岩稜帯で道しるべとなるのは、「青丸マーク」か「石積み」です。

そして、この急傾斜の岩稜帯を登っていくと、すぐに大腿筋と心肺がやられます。
息も絶え絶えになった時、漸く山頂手前の稜線に乗りました。

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3. Mt. Madison
ここからは稜線の反対側にあるMt Washingtonがドーンと見えます。

それにしても、あの山の頂上まで歩くのか・・・
まずは1つ目のピーク、Mt Madisonの山頂に向かいます。
再び岩の上を歩きつつ振り返ると、向かい側にある、Wildcat MountainやCarter Mountainを含む山塊が一望できます。

Mt Madisonの山頂に到着すると、強烈な風に見舞われます。早々に山頂を後にして進行方向へ少し下ります。

そして、進行方向には次の目的地、Mt. Adamsが。
しっかり下って登り返してますねぇ。。。

北側は一面の紅葉!

鞍部に下っていくと、山小屋が見えました。
この感じ、蓮華岳から下ってきて針ノ木小屋とその向こうに針ノ木岳を見るような感覚です。


山小屋は立派な造りでした。なんでも「Appalachian Mountain Club」という組織が整備しているそうですよ。

ここからのルートは二つ有りますが、今回私は直登ルートではなく、左からトラバースしつつ頂上を目指すルートで行きます。

(この白い岩も道標)
なお、☝の写真の手前のピーク(Mt. Quincy Adams)は、どちらのルートも通過しません。
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4. Mt. adams
左巻きコースの方が傾斜が緩やかだろう、と踏んでチョイスしたのですが、あなどるなかれ、十分な急傾斜です。
しかも、基本的にはずっと岩だらけのルートで、道標(青丸or石積み)を見つけながら進まないとすぐにコース・ロストしてしまいますので、しっかりルートファインディングして登っていく必要があります。
先程の山小屋から40分ほど登ると、さっきまで頂上にいたMt. Madisonがもう眼下に見えます。

それでも先はずーっと岩々・・・。ひたすら登っていきます。

そして、漸くピークが見えてきました。

ゼイゼイ言いながらMt. Adamsの山頂に到着した途端、西からの強風に見舞われました。

山頂からあらためて来た道を見下ろします。随分と登ってきたねぇ。

次にこれから進む道を見てみます。
左には次に目指す山、Mt. Jeffersonが。

更にその左に本日の到達地点、Mt Washingtonが。
遠い・・・そして高い・・・。

そして、この山頂で出会った若者二人のうち一人が「写真撮ろうか?」と言ってくれたのでお言葉に甘えます。

お話をしていたら、二人はロシア系アメリカ人。一人は日本語を5年間習ったことがあるそうで、簡単な日本をを話してくれました。
折角なのでみんなでセルフィー。

ここで大休止をした後、前進を再開します。
そして、この二人ともう一人の若者が同じ目的地らしく、三人で一緒に進むようです。

この後この三人とは抜きつ抜かれつしながらMt. Washingtonに向かうことになります。
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5. Mt. Jefferson
Mt. Jeffersonへの道は、先ほどと違いそこそこ歩きやすい道が続きます。でも距離があるので、黙々と歩きます。

緩いアップダウンを経て、今回の主稜線の最低鞍部「Edmands Col」に到着。

このEdmandsという鞍部の名前は、前出のAppalachian Mountain Clubの代表もしていた人物にちなんでいて、Presidential Rangeのトレイルを整備した人でもあり、その貢献を称えて鞍部の名前となり、記念碑が置かれています。

このEdmands氏もそうですが、北アルプスで燕岳~槍ヶ岳間登山道を開拓した小林喜作、伊藤新道を開通させた伊藤正一、重太郎新道を開拓した今田重太郎、などなど、世界を問わず登山道を開拓する人々の情熱とパワーには本当に頭が下がるし、登山道は必ず誰かそういう人が開拓しているから今登山を楽しめているわけで、歩く時は開拓者に感謝しながら歩かねばなりませんね。
さて、最低鞍部ということは、ここからはMt. Jeffersonまでひたすら登りです。
草紅葉のトレイルを登りつつ振り返ると、ついさっきまで居たつもりのMt. Adamsが随分遠くに感じられます。

西の方を見ると、このあたりから「Cog Railway」というラック式鉄道の麓駅(Waumbek Station)が見えてきます。

(中央やや左の白い部分がWaumbek Station)
ところで、何故かこのMt. Jeffersonの山頂に立ち寄る人がとても少なかったのはなんでだろう?Mt. Adamsで知り合った三人パーティもこの山頂に立ち寄らず先に進んだようです。
私も早々にMt. Jeffersonの山頂を下り、次の目的地へ急ぎます。

ここから一時的に幅広い稜線を歩きます。
まるで今流行りの双六岳「天空の稜線」のよう。

「天空の稜線」を過ぎると、再びアップダウンが始まります。

そして、弧を描くPresidential Rangeの最深部に差し掛かり、Presidential Rangeで最大級の圏谷「Great Gulf」が左側に広がります。

一旦鞍部に下りた後、「ラスボス」Mt. Washingtonに取り掛かる前の「小ボス」、Mt. Clayのピークが幾つか続きます。
まずはMt. Clay最初のピークへ。

これがまた、疲労の溜った大腿筋・ひらめ筋にはキツい・・・。
先ほどの三人組の内、一番疲労度の濃い彼は、他の二人から少し離れて、でも一歩一歩着実に足を前に出していました。頑張れ!

かなり標高を上げてから振り向くと、これまでピークを踏んできたMt. Madison、Mt. Adams、Mt. Jeffersonが全て見えます。
我ながら「よくあんなところから来たなぁ」と感心してしまいます。

そして振り向けばヤツがいる。
なんかめちゃくちゃ登るんですけどー・・・

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6. Mt. Washingtonの喧騒
いよいよ「ラスボス」攻略に取り掛かります。
右を見ると、先ほど説明した「Cog Railway」の山麓駅と、そこから山頂に伸びる線路が続いているのが見えます。
それにしても、山麓駅はすごい黄葉になってるんでしょうねー。

暫し現実逃避の後、敵に正対します。
山頂の建物が見えますが、これが「近いようで遠い」のは分かっています。
さあ、気張っていこう!

喘ぎながら斜面を登っていくと、目の前を観光客を山頂に運んでいくCog Railwayの列車が坂を軽々登っていきます。
・・・別に羨ましくありませんよ?

再び現実逃避。
振り返ると、Great GulfとPresidential Range主要峰が一望です!
これ、広角で撮ってるので小さく見えると思いますが、実際はすごい迫力なんです!


八ヶ岳などの日本屈指の稜線とも、、、

負けずとも劣らない、と思いませんか?!(ひいき目に見て、私は思います)
私は歩いたことないですが、もしかしたら「雄大な稜線」という声をよく聞く飯豊連峰や朝日連峰の稜線は、このPresidential Rangeみたいな感じなのだろうか。
ああ、行ってみたい日本の稜線がまた増えてしまう・・・。
トレイルは、途中でCog Railwayの線路を跨いでいきます。
鈍足鉄道なので、ひかれる心配はありません。

この線路は左から巻いていって山頂へ向かっています。

Cog Railwayを跨いでからはあと少し。ラストスパートです!

やっとの思いで山頂に到着すると、そこは観光客でごった返していました。
私はその観光客の一人に山頂到達証拠写真を撮ってもらいます。

本当は山頂標識と共に撮りたかったのですが、山頂標識と記念撮影したい観光客が長蛇の列を作っていたので諦めました。

あらためて山頂からの展望です。
まずは歩いてきた主稜線。

そして、広い山頂を西に向かい、そこからの風景も写真に収めました。
なお、Presidential Rangeは、このMt. Washingtonから更に東にも伸びていて、そちらも踏破するのが「Presidential Traverse」というトレイル・ルートで、このPresidential Traverseもアパラチアン・トレイルの一部です。

そして、☝の写真でお気付きとは思いますが、Mt. Washington山頂には、自家用車でも来ることができます。

この様子を見ると、主稜線を歩いていた達成感と感動も半減してしまいますが、こういう山なんだから致し方ありません。
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7. 激下りと沢沿いナイト・ウォーク
さて、時間は16時を回ってしまいました。
ここからスタート地点まで戻らなければなりませんが、ルートは二択。
①これまで来た道を山頂をトラバースして避けながら戻っていくルートか、②Great Gulfまで下って、そこから比較的歩きやすい沢沿いのトレイルをひたすら歩くルートか、どちらかです。
私は②を選択しました。
このままだと日没前にスタート地点に辿り着くことができないのは確定的で、そうだとすると(ヘッドライトがあるにしても)暗くなってから急峻な下山路を歩くのはリスキーと考えたためです。
来た道から向きを変え、進路を東に向け下山を開始します。

そして、途中で「Wamsutta Trail」に入り、Great Gulfの谷底まで下ります。
このWamsutta Trailは「激下り」ルートで、後半は斜度45度以上の岩だらけの道を下っていかねばならず、なんとしても日没して暗くなる前に谷底まで下り切りたい、と休みなく手足を動かして標高を下げていきます。

そしてなんとか暗くなる前に谷底の沢沿いルート「Great Gulf Trail」に到達しました。
これで一安心。あとはこの沢沿いの道をひたすら早足で歩いていきます。

谷底でも綺麗な黄葉でしたが、もはや真っ暗で写真には収められなそう。
☟が最後の写真です。

その後完全に暗くなり、ヘッドライトを点灯して歩いていきますが、本日の核心部はこの後にありました。
なんと、沢を渡るために掛かっている橋が通行止めになっていたのです!
私は途方に暮れました。
このルートが通れないとなると、さっき激下りしてきた坂を登り返して自動車道に出て、ヒッチハイクするか徒歩で自動車道を歩いて、スタート地点に戻るしか手はありません。
後でちゃんと調べたら、White Mountains National Forestの公式ホームページでも、橋通行止めのアラートが出ていました。
あまりに残念な見逃し・・・。
ここで幸運が訪れます。
私が引き返し始めたらすぐに、同じくヘッドライトを付けて向かってくる人が。
そのおじさんハイカーに事情を説明すると「自分はこの沢を、橋を使わず石伝いで渡渉してきたから、自分についてきてくれたら沢を渡れる」と。
付いていきます!!
このおじさんハイカー、沢を渡った先にあるテント指定地に向かうそうで、私のゴール地点よりは終点がかなり近いようですが、そんなことはどうでもよい。
沢を渡った後、握手してお礼をし、そのおじさんとは別れました。
そこから先も長かったですが、危険度の低いほぼ平坦なトレイルをひたすら歩くだけでした。やはり暗くなってからのことを考えて②を選択したのは正解でした。
そして、出発から14時間後、漸くDolly Copp Campgroundに帰還したのでした。


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8. まとめ
今回の山行は、総距離30km、総獲得標高2,000m以上のかなりタフなものとなりました。最初から終盤ヘッドライト使用になることは想定していましたが、流石に下りに入る時間が遅すぎました。
それもこれも、活動停止(つまり休憩)時間が長すぎた(3時間超)のが大きな要因であったと思います。
また、最悪のケースは逃れられましたが、ルートの状態はもっと念入りに調べるべきであったと反省しています。下手すれば深夜までトボトボと車道脇を歩いていた可能性もあります。
また、出発早々熊に遭遇した際に、進むことを選択したのは正しかったのか、については皆様にも疑問の声があると思います。そのようなご意見には真摯に耳を傾けたいと思います。
ただ、それら反省点を除けば展望、紅葉、歩きごたえ、など素晴らしい山行でした。
天候次第ではありますが、Presidential Range、とってもオススメです!
Cog Railwayや自家用車でMt. Washington山頂に上がり、そこから主稜線を歩くことで時間短縮もできるし確実な帰路も確保できます。
私は今回「挑戦」をしたくて敢えて厳しいルートを選びましたが、ルートの選択肢が豊富な山域なので、それぞれの「山力」に合わせて楽しんで頂けたら幸いです。
長文、失礼致しました。
次回3日目に続きます。
最後までご覧頂きありがとうございました!
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